葉酸とは?
葉酸はビタミンB群の一種(ビタミンB9)で、細胞分裂やDNA合成に関わります。自然に食品に含まれる形は「葉酸(folate)」、サプリや強化食品に使われる合成の形は「葉酸(folic acid)」と呼ばれます。どちらも体にとって重要ですが、サプリでの補充は摂取量を確実にコントロールできます。
なぜ葉酸が大切なのか(医学的根拠)
葉酸を妊娠前〜妊娠初期に摂ることで、胎児の神経管閉鎖障害(NTDs)の発生率が低下することが多数の研究と公的機関で示されています。主要機関の勧告は以下の通りです:
- WHOやCDCは妊娠前から妊娠初期(概ね妊娠12週頃まで)の葉酸補給を推奨しています。
- 米国予防医療専門家チーム(USPSTF)等も、妊娠可能な人に400〜800μg/日を推奨しています。
(要点)科学的根拠:葉酸不足は初期の神経発達に悪影響を与えうるため、予防的に補給することが有効とされています。
⚖️ 一日にどれくらい必要?
妊娠を計画している、または妊娠初期の方は、
👉 1日400μg(0.4mg)の葉酸 が推奨されています。
これは食事だけで摂るのがなかなか難しい量です。
例えば、ほうれん草100gには葉酸が約110μg。つまり、毎日400μg摂るには、ほうれん草約4束分が必要です。
そのため、サプリで補うのが現実的で確実なんです。
(※過去に神経管閉鎖障害を経験した妊娠がある場合などは、医師が高用量(4mgなど)を指示することがあります。)
🍴 食事とサプリ、どちらで摂るべき?
もちろん、食事からも摂ることは大切です。
葉酸を多く含む食材は以下のようなものです。
- ほうれん草、ブロッコリー、菜の花などの緑黄色野菜
- 納豆、枝豆、レンズ豆などの豆類
- いちご、アボカド、オレンジなどの果物
- レバー(ただしビタミンA過剰に注意)
ただし、葉酸は熱に弱く、調理で半分ほど失われることもあります。
そのため、食事+サプリのダブル摂取が一番おすすめです。
💊 サプリの選び方と飲み方のコツ
葉酸サプリを選ぶときは、次のポイントをチェック!
✅ 1粒あたり400μgの葉酸が含まれている
✅ 「妊娠・授乳期向け」または「モノグルタミン酸型葉酸」と表記されている
✅ 鉄・カルシウム・ビタミンB群など、妊婦に必要な栄養が一緒に配合されている
最近は「モチベーションを上げるパッケージ」や「飲みやすい小粒タイプ」も多いので、続けやすいものを選びましょう。
飲むタイミングは朝食後など、忘れにくい時間帯に習慣化するのがおすすめです。
⚠️ 注意したいこと・副作用は?
葉酸は水溶性ビタミンなので、摂りすぎても尿と一緒に排出されます。
ただし、1,000μg(1mg)を超える量を長期間摂ると、ビタミンB12欠乏を見逃すリスクがあるため注意が必要です。
また、抗けいれん薬や一部の薬を服用している場合は、葉酸が薬の効果に影響することがあります。
サプリを始める前に、かかりつけ医や薬剤師に確認しておきましょう。
🥦 食品別の葉酸含有量一覧(100gあたり)
| 食品名 | 葉酸量(μg) /100g | 一般的な目安量(1回分) | 摂取目安に含まれる葉酸量(μg) |
|---|---|---|---|
| ほうれん草(茹で) | 約110 | おひたし1皿(70g) | 約77 |
| ブロッコリー(茹で) | 約120 | 小房5~6個(70g) | 約84 |
| アスパラガス(茹で) | 約190 | 3本(60g) | 約114 |
| 枝豆(ゆで) | 約260 | 茶碗1杯(80g) | 約208 |
| 納豆(1パック) | 約60 | 1パック(45g) | 約27 |
| レバー(鶏) | 約1,300 | 焼き鳥1本(30g) | 約390 |
| レンズ豆(ゆで) | 約180 | 小鉢1杯(80g) | 約144 |
| いちご | 約90 | 6粒(100g) | 約90 |
| アボカド | 約80 | 半分(70g) | 約56 |
| みかん | 約30 | 1個(100g) | 約30 |
🍽️ ワンポイントアドバイス
- 調理や加熱で30〜50%程度の葉酸が失われることがあります。
→ なるべく蒸す・電子レンジ加熱で短時間調理がおすすめ。 - レバーは葉酸が多いですが、ビタミンAが非常に高いため、妊娠中は摂りすぎ注意(週1回以下が目安)。
- 日常的には、「野菜+豆類+果物+サプリ」でバランス良く摂るのが理想です。
💡 葉酸を上手に摂るコツ
- 朝食に「納豆+果物+サプリ」
- 昼食に「ブロッコリー入りサラダ」
- 夕食に「豆スープ」や「ほうれん草の副菜」
こうした1日トータルで400μgを意識すると、無理なく続けられます🌷
🍽️
🕰️ 葉酸を効率よく摂る1日の食事例
妊活中・妊娠初期のママにおすすめの、葉酸をバランスよく摂れる1日メニューをご紹介します。
無理なく続けられるよう、スーパーで買いやすい食材で考えました!
🌅 朝食(約150μg)
メニュー例:
- 納豆ごはん(葉酸 約30μg)
- ほうれん草と卵の味噌汁(約60μg)
- いちご 5〜6粒(約80μg)
- 葉酸サプリ(400μg/日分)
ポイント:
朝は吸収率が高い時間帯。
サプリを朝食と一緒に飲むことで、食事との相乗効果も期待できます✨
つわりがあるときは、果物+飲み物(野菜ジュースなど)でもOK!
🍱 昼食(約120μg)
メニュー例:
- ブロッコリーと鶏むね肉のサラダ(約80μg)
- レンズ豆のスープ(約40μg)
- ごはん or パン
ポイント:
昼は「温野菜+豆スープ」でビタミンも補給。
ブロッコリーは電子レンジで1分半ほど蒸すと、葉酸が壊れにくくなります。
🌇 夕食(約130μg)
メニュー例:
- 鮭のムニエル
- 枝豆入りポテトサラダ(約60μg)
- アスパラのソテー(約70μg)
- ごはん or パン
ポイント:
夜は“色のあるおかず”を意識。
アスパラは加熱しても葉酸が比較的残りやすいので、妊婦さんにおすすめです。
油を使った調理で**脂溶性ビタミン(A・Eなど)**の吸収もUP!
🍎 間食(+30〜50μg)
メニュー例:
- バナナやオレンジジュース
- 枝豆スナック or サラダ豆
- ヨーグルト+いちご
ポイント:
ちょっとした間食でも葉酸は摂取できます。
甘いお菓子よりも、フルーツや豆系を選ぶと罪悪感ゼロ◎
❓ よくある質問(FAQ)
Q1. 妊娠に気づくのが遅かった…今からでも効果ある?
→ はい。妊娠初期(特に12週頃まで)は大切な時期なので、気づいたらすぐ始めてOKです。
Q2. 食事だけで足りないの?
→ 理論上は可能ですが、調理で減少するため、サプリで補うのが安心です。
Q3. 男性も葉酸を摂った方がいい?
→ 男性の精子の質にも関係する研究がありますが、妊娠への影響は女性側がより大きいとされています。
Q4. どんなサプリを選べばいいの?
→ 1日400μg入り・妊婦向け配合・国内製造など、安全性の高いものを選びましょう。
🌸 まとめ
葉酸は、赤ちゃんの神経の健康を守るために欠かせない栄養素。
妊娠前から1日400μgの摂取を意識することで、神経管閉鎖障害のリスクを減らすことができます。
妊娠を考えたら、今日から始めてOK。
食事+サプリで、未来の赤ちゃんとあなたの健康をしっかりサポートしていきましょう。
おすすめ葉酸サプリ
参考文献
- WHO「Periconceptional folic acid supplementation」
- CDC「About Folic Acid」
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「葉酸の働きと摂取のポイント」
- 日本産婦人科学会「妊娠と栄養」


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